友人の女性達に対して口酸っぱく“今すぐ運動習慣を身につけておいて”と言っています。
その理由は女性はその理由は骨にあります。
骨はメッシュ構造
皆さんは骨密度と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは耳の表す通り骨の密度、すなわち骨がどれだけみっちりと詰まっているかということ表すものです。
骨と聞くと、硬い石のような構造を想像される方が多いでしょうが、実際は繊維が走るメッシュのような構造になっています。スポンジのような網目構造のほうが、壊れにくくかつ軽量にできるからです。
この網目構造がどれだけ密に重なっているかを計測したものが骨密度です。
網目がすかすかになってしまうと、骨の強度が下がり簡単に折れてしまいます。この骨がスカスカになった折れやすい状態を骨粗しょう症といいます。
骨を強くするのは女性ホルモン
骨密度は体内の複数の因子によってコントロールされていますが、その一つがエストロゲンです。これは女性ホルモンの一つとして、月経、妊娠、出産などを主に担当しているホルモンです。
エストロゲンが分泌されると、骨の密度を保つように骨の細胞に促します。女性ホルモンと名前にもありますが、男性の体内でも少量ですが分泌されており、同様に骨の密度を保つ働きをしています。
閉経後の女性は骨が折れやすくなる
さて、女性は女性ホルモンの分泌が大きく下がる時がやってきます。そう。閉経です。
閉経を迎えると、女性ホルモンの分泌が大きく減少します。すると骨の密度を維持するためのホルモンが減るため、骨密度自体も下がり、骨折が起きやすくなってしまいます。
骨密度が低いと骨折の回復も遅くなり、歩けない期間が伸びていきます。そうするとどんどん筋力が落ち、ついには寝たきりとなってしまいます。
男性の場合は、もともと少ない女性ホルモンで骨を維持するできるように身体が慣れていることに加えて、分泌量は生涯を通してほとんど変化しないため、この問題はあまり起きません。
女性の場合は閉経というイベントを通して急激にエストロゲンが下がってしまいます。そのため骨密度の低下は女性の方がより深刻な問題になるのです
骨を強くするのは体重管理と運動
この骨密度、下がってしまうと上げるのは中々大変なのです。ですので下がる前に予防することがとっても大切です。
臨床では飲み薬、注射薬とともに普及していますが、生活習慣を改善することでも骨密度を予防することができます。
具体的には、運動と適正体重を保つことです。
骨を強く保つため、体重は太りすぎても痩せすぎてもいけません。
痩せすぎると骨にかかる負荷が減ってしまうので骨密度がどんどん下がってきます。
一方で太りすぎてしまうと脂肪細胞が骨密度に対して悪影響を及ぼすため、こちらも骨密度が下がる原因となってしまいます。
加えて運動も非常に重要です。
走る、歩く、自転車をこぐなど陸上での運動は普通に立っているよりも多くの体重が骨にかかります。この荷重が骨に良い刺激となり骨密度を強くする方向に働きます。
骨密度が問題になるのは多くの場合女性です。それはホルモンの影響に加えて、日本人女性は痩せ気味であることと運動習慣を持っている人が少ないことが理由に挙げられます。
自転車は日常生活に取り組みやすい運動の一つです。
ちょっとした移動を自転車に変えるだけで日常に運動を足すことができます。女性の皆さんには特におすすめです。
参考文献
ベンチステップ運動でのトレーニングが閉経女性の骨密度,骨塩量と骨代謝に及ぼす影響
厚生労働省資料(骨密度、BMI)
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