乗り始めて最初に悩むこと、そして乗らなくなる理由の一つ
最初の難関、お尻の痛みについてじっくり考えてみました。
自転車乗りの敵、臀部痛
おそらく全てのロードバイク乗りが一度は経験したことある、お尻の痛み。
特に初めてロングライドに行った時、絵も言われぬお尻の痛みと不快感で辛くなった経験はみなさんあるのではないでしょうか。今回の記事はその痛みに対しての対策と予防法をまとめました。
その痛みは筋肉か皮膚か
お尻の部分に内臓はないため、痛みの原因は筋肉か皮膚かに分類されます。
特殊例で神経由来の痛みもありますがそれはロードバイクに関係なく起こることなので割愛します。
さて、痛みの原因を見分ける方法としては以下の通り。
触れると痛いなら皮膚
動かして痛いなら筋肉
皮膚由来はジッとしていても痛いし、触るとひどくなる
ほとんどの自転車乗りのお尻の痛みは皮膚だと考えられます。
皮膚の痛みと特徴としては「触ると痛い」ことです。擦り傷やニキビでもそうですが、皮膚にできた傷はジッとしていてもなんとなくじわっと痛いし、触るとピリッと痛みが走りますよね。あのような痛みは皮膚特有の痛みです。
具体的な例を挙げると、自転車から降りたら楽になる、サイクルパンツ越しに触れてみると痛みがひどくなる場合は皮膚由来が考えられます。サイクルパンツを脱げる状況であれば、実際に見てみましょう。お尻が赤くなっていたり腫れていたりしたらほぼ皮膚の問題と言って良いでしょう。
筋肉の痛みは股関節を動かして確認
筋肉の痛みは基本的に筋肉が縮む、伸びる時に発生します。ですので、じっとしていると痛みはそうでもないけど、ペダルをふむ動作(太腿を上げ下げする動き)やシコをふむ動き、脚を開く動きをした時に痛みが出た場合、筋肉由来の可能性が高いです。
具体的にお尻の筋肉を動かす動作を図示しておきます。
参照 REVIEW BOOK MEDIC MEDIA社
これらの動きを試して痛みが発生するor痛みが軽減するならば、お尻の筋肉がダメージを受けている可能性大です。
筋肉の痛みは遅れてやってくる
筋肉痛って遅れてやってきますよね?
同様に筋肉の使いすぎ、疲労が原因で発生する痛みはタイムラグがあるんです。これは筋肉を支配する神経繊維の種類が他と違うためなんです。つまり、筋肉由来の痛みであれば、自転車を降りたとしても特定の動きで痛みが再発します。
ライド後翌日に痛みが強まるようであれば、筋肉由来の痛みの可能性がより高まります。
さて、痛みの鑑別はわかりました。それでは痛みが起きないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
皮膚の”摩擦”と”圧迫”を避ける
皮膚の痛みの場合は皮膚のダメージの原因である”摩擦”と”圧迫”が起きないように工夫しましょう。
お尻はウェアとサドルとすれることにより摩擦刺激を受けます。
またずっと座っていることにより、お尻の骨である骨盤とサドルと挟まれてお尻の皮膚が圧迫されている状態が続きます。
この摩擦と圧迫は皮膚表面に傷を作る原因ですので、これらをできるだけ軽減する工夫を試してみましょう。
摩擦を減らすには滑りをよくする
ライド中にお尻に触れている部分、サドルとウェアを工夫することでこの摩擦刺激を減らすことができます。
これは「クリーム」を皮膚に塗って滑りを良くすることによっても予防できます。自転車用のクリームはいろいろと市販されていますし、要は滑りが良く皮膚を保護してくれるものであればなんでもいいので、ワセリンやニベアクリームでも代用可能です。
圧迫を解除するにはサイクルパッドとフォーム改善
圧迫のダメージを手っ取り早く減らすにはサドルとサイクルパットを変えることです。
特に女性の場合は、「女性用」のパンツ着用をお勧めします。男性用のサイクルウェアは女性の骨盤の形に合わないことがあり、皮膚ダメージをむしろ悪化させてしまう場合があります。
世にはたくさんのサイクルパンツが市販されていますが、パッドの厚みを気にしながら選んで見ましょう。(個人的にはサイクルパンツは最初に課金すべき自転車グッズだと推してます)
わたしが普段愛用しているのはPandani cycle wear。 以前300kmライドを試した時もお尻にはなんの異常も発生せず感動したのをよく覚えています。
自転車ウェアはぴたっとしてて恥ずかしい….という方は、私服の下に偲ばせるサイクルパンツもあります。これならば普段着ている服の下に着るだけなので抵抗感なく保護できます。
また、最近はサドルもフィッティングしてオリジナルのものを作成してくれるサービスもあります。懐に余裕のある方はこちらもおすすめ。
フォーム改善で解決することも
そして、疎かにされがちですが、フォームを改善することでもお尻の痛みは改善されます。初心者の方はついサドルにどかっと座るフォームをとりがちですが、体重はペダル、ハンドル、サドルにバランスよく乗せるフォームが本来正しいフォームです。(だたしいフォームに関しては現在執筆中)
自分でポジションを変えてみる、わからない場合はフィッティングサービスを試すのもありです。
筋肉の痛み・不快感にはフォーム改善と筋肉のケアを
筋肉由来の痛みの場合、それは筋肉を正しく使えていないことが原因ですので、こちらもフィッティングやペダリング指導で改善することができます。
加えて、ライド前後のストレッチ、ライド後マッサージなど普段から筋肉をいたわる習慣をつけることでも軽減することができます。(筋肉ケアについては別記事参照)
まとめ
さて、長くなりましたが以上をまとめると
お尻の痛みは大きく2種類に分けられる
触れると痛いなら皮膚(こちらが大多数)
動かして痛いなら筋肉
皮膚の痛みは摩擦と圧を減らす
筋肉は正しいフォームと筋肉ケアを
以上の解決策をかかる費用で並べてみると
クリーム<ウェア<フィッティング<サドル
の順になるので、まず最初はクリームから試してみるのがお手軽ではないかと。
痛みは慣れてくる
多くの皮膚・筋肉の痛みはロードバイクに慣れてくると自然と軽減してきます。ですので痛いのは最初の時期だけで、乗りなれてくると消えてきます。
逆に考えると、 数ヶ月たっても消えてこない痛みは、フォームとポジションに問題があるということなので改善の余地あり。
せっかく自転車に乗り始めたのに、楽しみを感じるまえに痛みのせいで諦めるのはとても勿体ないです。上にあげた解決策を試して、快適な自転車ライフを!
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