運動しすぎは本当に健康に悪いのか

こんにちは。らんです。今日はずっと気になっていたことについて調べあげました。

運動しすぎは健康に悪い、の真偽

聞いたことありませんか?運動しすぎると短命になる…という噂。

トレーニングの基本は「破壊」と「休養」です。
しかし競技がプロレベルになると、この破壊行為が度を過ぎ、身体に害をもたらして結局は寿命を縮めることになってしまう….というのがこの噂の理論です。

内容だけ聞いてみると、筋が通っているようにも聞こえますが、果たして本当なのか。
論文を探してみました。

推奨されてる以上の運動をしたら死亡率はどうなるのか

今回参照したのはこちら

Leisure Time Physical Activity and Mortality
A Detailed Pooled Analysis of the Dose-Response Relationship

アメリカのNIH(厚生省みたいなところ)から推奨された運動時間よりも多く運動した場合、死亡率にどう影響が出るのかを調べた研究です。

以下のグラフは、

運動時間が増えていくにしたがって(横軸の右へいくほど運動量が増える)

どれだけ死亡率が変化するか(上軸に向かうほど死亡率が上がる)

を示した物になります。

 

グラフからわかることは以下の通り。

1. ロードバイクに週に1時間乗れば死亡率が3割下がる

横軸が触れるほど明らかに死亡率が下がっています。横軸の単位MET hは運動強度を表すMETsに運動時間をかけたもので、アメリカで推奨されている運動量は7.5MET h とされています。


ロードバイクでの運動(時速20km/h)はおおよそ7-8METsと言われているので、週に1時間のるとおおよそ7.5MET hに到達します。7.5MET hのグループでは死亡率が0.69とされており、これは運動しないグループと比べて死亡率が3割減少していることを表します。

もし読者の方が週末に1時間以上のロングライドを楽しまれてる方であれば、運動量としては十分、ということになります。

 

2. 運動量をさらに増やすと死亡率も下がるが、下がり方は緩やか

グラフをさらに右にみていきましょう。運動量が増えていくと、死亡率はさらに下がっていきます。私のstrava記録をみると、私は22.5-40MET hのグループ。つまり週に3-5時間ロードバイクに乗る程度のグループです。ここでは死亡率がおよそ4割減。

そしてこれ以上運動量を増やしても死亡率は大きな変化はありません。

 

3. 運動量を大幅に増やすと若干死亡率は上がるが、運動しないよりはずっと低い

そして最後のグループでは死亡率が若干上がっています。このグループは75MET h以上の集団なので、ロードバイクに週10時間以上かつ真剣に乗ってる方々になります。ガチ勢はこのあたりでしょうか。

さて、ガチ勢の場合、死亡率は0.69と出ておりますね。そうです。運動ガチ勢でも運動しない勢と比べると3割減少しております。

 

さて、以上のことから私が自転車乗りに言えることは3点

・健康のためであれば週1時間からでも十分量

・一番寿命が延びるのは週3時間以上。これ以上時間を増やしても寿命にはあんまり関係ない

・ガチ勢は乗りまくっても恐れるほど寿命は縮まないし、運動しないよりは遥かに健康

 

ということで、運動しすぎは健康に悪いのか、という問いに対して、

ガチ勢はゆるぽた勢よりも寿命は短い傾向だけど、運動しない人たちよりは寿命は長い

という答えになりました。

 

寿命が縮むほどガチ練習を続けられる人ってそんなにいる?

さて、ちなみにこの研究には一つ注意点があります。
この研究、全体の年齢中央値は62歳。つまり対象年齢が中高年よりなのですね。

ですので、この研究でわかるのは、今60代の方々が週10時間以上、高強度でガチ練をした場合、
多少寿命が縮むかもしれない….という程度です。そんなハイパー高齢者って滅多に見ませんが。

今30-40代の方がガチ練をした場合、寿命と関係するか、というところに関しては、この研究でははっきりと答えは出ません。もし、ガチ勢の皆様が今の強度を70歳まで続けると、寿命が縮む可能性はありますが、現実的にはそこまで練習を続けられる人は極々少数です。

また、他の研究を見る限りでは、基本的に運動週間は寿命を延ばす方向に働きます。ので、我々若造は心置きなく、そして悔いのないようにガシガシと身体を追い込んでいっても大丈夫だろう、と私は考えます。

あ。これはあくまで病気での死亡率であり、外傷は含まれていません。ですので、ヘルメットきちっとつけて、交通事故だけ気をつけてくださいね。


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